日本語
English
Español
عربي
Français
中文
サウジアラビア国有の石油大手Aramcoは、世界的な環境保護の呼びかけにもかかわらず、化石燃料における将来計画に大きな展望を持っています。この石油・ガス企業は、需要が増加し続ける中で、LNG分野に積極的に投資し、国際市場における地位を固めています。今年、同社は数々の大規模なLNG投資を発表し、同社の発展計画に沿っています。また、AramcoのCEOアミン・ナセルは、石油・ガスへの国際的な投資拡大を支持し、2030年以降の需要が減少するという国際エネルギー機関（IEA）の予測にも関わらず、需要が長期間高い水準を維持すると発言しています。
昨年、Aramcoは、2027年までに原油生産量を1日1200万バレルから1日1300万バレルに引き上げることを目指す計画を発表し、2024年から2028年までに予定された400億ドルの投資を行う予定でした。しかし、今年初め、原油の生産量をそれほど増やす予定はないと発表し、代わりに天然ガスに焦点を当てることを決定しました。この計画の変更により、サファニーヤおよびマニファなどの一部の石油プロジェクトがキャンセルされる見通しです。
天然ガスに全力を注いでいるようです。昨年9月、AramcoはMidOcean Energyに5億ドルで少数株を取得し、国際LNG市場への進出を果たしました。ナセルは、「MidOceanについては、適切な承認手続きを進めています。」と述べ、さらに、「私たちはアメリカでも関心があります。アメリカや世界の他の地域でいくつかの企業やパートナーと協議しています。それは成長市場であり、非常に重要です。LNG分野でのポジション拡大の成長機会を模索しています。」と述べています。Aramcoは、2021年のベースラインに基づき、2030年までに天然ガス生産目標を60％以上に引き上げました。
6月には、Aramcoは総額250億ドル以上の契約に署名しました。そのうち約124億ドルはジャフラガス田の第二段階拡張に、88億ドルは主要なガスネットワークの第三段階拡張に充てられます。さらに、24のガスリグ契約が24億ドル、2つの方向性ドリリング契約が6億1200万ドル、ジャフラでの13のウェルタイイン契約が16億3000万ドルで受注されました。これは、サウジアラビアの非伝統的ガス埋蔵量を開発し、高度な採取方法を用いていくことを反映しています。
ジャフラはサウジアラビア最大の非石油関連ガス田であり、米国以外で最大のシェールガス事業となる可能性があり、229兆立方フィートのガスと750億バレルのコンデンセートの埋蔵量があります。ジャフラの開発第一段階は2021年に始まり、初期稼働は2025年後半を見込んでいます。Aramcoは、2030年までに一日20億立方フィートの生産量、大量のエタン、NGL、コンデンセートを達成すると見込まれるジャフラへの総投資額が1000億ドルを超えると予想しています。
ナセルは、「2030年までに1日20億立方フィートの販売ガスを生み出すことで、この大胆な取り組みはサウジアラビアを世界有数の天然ガス生産国の地位を強化するでしょう」と述べました。また、ナセルは、この投資が同社のポートフォリオを多様化し、市場ポジションを強化することを期待しています。
関連記事: 鉄鋼業界、輸入規制と関税に慎重なアプローチを取る
サウジアラビアの主要ガスネットワークへの投資は、3200億立方フィートの容量拡張および新しい都市をネットワークに接続する4000kmのパイプラインの拡張に貢献します。ヒュンダイエンジニアリング＆コンストラクションのコンソーシアムや中国の中国石油化工集団（Sinopec）を含む数社が、この投資の下で契約を獲得しました。
Aramcoの主要な投資発表は、多くの他社がエネルギー・ポートフォリオの多角化のために石油・ガス支出を削減している中で行われています。IEAは最近、需要成長の減少と原油供給の拡大により、今後の10年間で世界の石油市場に余剰が生じると予測しました。最近のIEAの報告書によると、2023年にはバイオ燃料を含めた世界の石油需要は、1日102百万バレルをわずか超え、2030年に向けて需要は1日106百万バレルに収束すると予測されています。一方、パンデミック後の世界的な生産拡大により、現在から今後の10年までの間に供給が需要を上回り、2030年までにトータルの原油供給は1日114百万バレルに達する見通しです。
しかし、ナセルは何度も企業に石油・ガスへの投資拡大を促しており、IEAの予測は的外れだと主張しています。ナセルは最近、「実際の世界では、現在のエネルギー転換戦略はほとんどすべての面で明らかに失敗しています。」と述べ、2023年における化石燃料の世界の消費割合が82％であると示したKPMGの報告書を引用しました。「これは、一部の人々が描いていた未来の姿とは程遠いものです。」とナセルは述べ、「これにより、ピークオイルやピークガスが2030年の時点ですらまだあり得ないという見方が強くなっています。」と語りました。
ADVERTISEMENT
オイルプライスドットコムのフェリシティ・ブラッドストックが執筆
オイルプライスドットコムの注目記事：
